WRO2018 兵庫公認予選会
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今年も7月28日(土)に関西学院初等部においてWRO兵庫公認予選会が行われました。
アドバンストコースの生徒が参加する、ミドル、エキスパート競技は予定通りの開催でしたが、スタンダードIIコースの生徒が参加するベーシック競技は、台風のため中止となりました。はじめてのロボット大会で楽しみにしていた子も多かったので、とても残念です。
プログラボの選手たちの競技結果は以下の通りです。
・中学生エキスパート競技 優勝、準優勝 ※優勝は全国大会出場
・小学生エキスパート競技 優勝、準優勝 ※優勝は全国大会出場
・小学生ミドル競技 準優勝
エキスパート競技は、中学校・小学校ともに優勝・準優勝、また小学校ミドル競技も準優勝でした。
まずはミドル競技について。
今年度のミドル競技は昨年からルール変更があり、これまでと内容が全く異なる競技となりました。競技ミッションは、上位カテゴリーのエキスパート競技に近いものとなっていますので、エキスパートへのステップアップとして位置づけ、生徒がより難しいミッションに取り組む為の力をつける機会になるような授業を行いました。
ミドル競技への取り組みでは、昨年まではベースとなるセンサー等がついていない基本ロボットに、チームごとにセンサーやアーム等のしくみを自分たちで考えて取り付けてロボットを仕上げていました。ただ、エキスパート競技ではゼロからロボットを作っていく必要があります。そのため今年はミドル競技でもチームごとに、なるべくゼロからベースとなる部分も含めて組立図等を見ないでロボットを組み立てるようにしました。
しくみ自体は同じようなものでも、パーツの選択、モーターの配置、センサーの位置など皆違っています。これにより、黒ラインにそって進むライントレースの性能も異なりますし、ものをつかむ部分でも、ちょっとした動作の違いや不具合が多発します。プログラムの工夫だけではうまく動作させることが出来ない場合は、ロボットの作り直しも発生します。
特に今回のミドル競技のコースは、いままであった木枠の「壁」がありませんので、一度ロボットがラインを読み間違えてしまうと、そこでほぼ競技続行が不可能になってしまう難しいものでした。たった一つのパーツが有るか無いかだけでも精度が変わってしまいます。
そういった中で様々な経験をし、より難しい競技にもチャレンジできるような力をつけていって欲しいと思っています。目先の結果を出すことも必要な時がありますが、WROは一年に一度しかない貴重な機会ですので、子ども達の成長のチャンスを奪ってしまうことがないようにしたいと思っています。
次にエキスパート競技について。
エキスパート競技は、小学生部門と、中学生部門に参加しました。
結果的にはどちらも優勝することができましたが、特に小学生では、サプライズも成功して満点を出すことができ、内容的にもすばらしいものでした。
エキスパート競技のルールは毎年1月ごろに発表されます。年々競技レベルが上がっていて、ロボットを完成させるのにかなりの時間が必要となってきます。
その為、今年度は早いチームでは2月ごろから活動を始めました。プログラボでは月3回、1回90分の授業ですので、1ヶ月でも270分しか練習できる時間がありません。その中で、ルールを理解し、ロボットのしくみを考え、制作を行い、プログラミングをしてロボットを仕上げていきます。
例えば1ヶ月かけて作ったロボットが思うように動かなければ、また再検討し、作り直しを行わなければなりません。進捗がなくただ時間だけが過ぎていくこともあります。長い期間をかけたミッションですので、ずっと集中するのが難しい時期もあります。
プログラムが全て完成しなかったり、細かな調整が追いつかずに本番を迎えたチームもあります。教室ではうまく動いていたロボットが、本番でその力を発揮できないこともあります。それでも競技の調整時間の中で、教室ではできていなかったプログラムを完成させるチームもあったり、1回目の競技で失敗していた箇所を修正できていたりと、確実に力を付けていっているのが目に見えて分かる場面も多々ありました。
小学生と、中学生のエキスパートのチームは、9月に行われるJapan決勝大会に挑みます。わずかな時間しかありませんが、より精度の高いロボットに仕上げて、まだその先の世界大会もありますので、がんばって欲しいなと思っています。
最後に、いつも子ども達のために貴重な時間を作っていただき、保護者の皆様には本当に感謝しております。
今回の大会で、くやしい思いをした子もたくさんいると思いますが、一つ一つの経験を大切にして成長していってくれればと思います。今後ともよろしくお願いいたします。